◆聖人と呼ばれた公爵に潜む“魔”が、しがない家庭教師の運命を狂わせた。◆家庭教師のマディは新しい雇い主との面接のため、ある宿屋に泊まった。雇い主に気に入られて、年老いてからも家の片隅に置いてもらい、つましいながらも穏やかに暮らす――そんな人生を思い描いて。ところがその夜、あろうことか彼女の眠る客室に忍び込んだ見知らぬ男に夢うつつのうちに体を奪われてしまった!男の正体はなんと、高潔で有名なセイント・オールドリック公爵。不運にも雇い主の知るところとなり、職を失ったマディはショックと恥辱に耐えかね、その場から逃げだした……。ふた月後、マディはあの夜の記憶に怯えながらも公爵邸を訪れた――わたしのおなかにいる子をどうか認知してください、と伝えるために。■PHS-110『乙女を愛した悪魔』に続くクリスティン・メリルの2部作シリーズ第2話です。流行り病のせいで跡継ぎを残せない不安に駆られ、放蕩に耽るようになった美しき公爵。ところが、彼の子を宿したという貧しい娘が屋敷を訪ねてきて……。彼がした驚愕の提案とは?!