あらすじ印旛沼開鑿(かいさく)の裏で、役得の甘い汁を吸う現地役人の怠慢、加えて豪雨の襲来など、工事は難航をきわめる。だが、それにもまして、大坂十里四方上知令に対する紀州家の猛反対は、水野忠邦には思わぬ打撃であった。忠邦打倒派の動きも日ましに活発化していくようである――天保政治の実相を壮大に描く時代長編。〈全5巻〉