まえがきより
「子どもとどう接していいのかわからない」「勉強しろと言っても聞かない」
本書はそんな親たちに向けた、子どもとのコミュニケーション論である。
皆様は子育てに関連する法律を読まれたことはおありだろうか。
例えば、民法第712~714条の趣旨を要約すると「未成年者は他者に損害を加えた場合において、賠償責任は負わない。こうした責任無能力者(だいたい11~12歳までの子ども)の監督義務者(親などの社会的な監督責任を負うべき大人)は、未成年者が他者に与えた損害を賠償する」と書かれている。
つまり、子どもに社会的感覚を持たせなかったツケは、両親が支払うということだ。
何を成し遂げるとしても、正確な情報がなければ達成できない。だから、子育てとは家族全体で取り組むものである。
子育てとは子どもを社会に送り出すために必要な過程だが、例えば母親のみが主体で子育てを成したとして、子どもに伝えなければいけない社会像が偏ることはあるのである。
父親がいなくとも、子どもを物理的に20歳にすることはできるだろうけど、社会的感覚を持たせるには両親それぞれの価値観や経験を持ち寄る必要がある。本書がそうした感覚を持つ助けとなけば幸いである。… 以上まえがきより抜粋