まえがきより
本冊子には、うつ病を完治させる方法は載っていない。
うつ病と真面目に戦っている方以外が読んだら、面白くもなければ、何の役にも立たない。
本書を執筆しているとき、著者のもとには「鬱」と名乗る、黒いスーツに山高帽を被った顔色の悪い紳士が時折やってきて、気がめいるようなセールストークをして、「お疲れみたいですね? 休みませんか?」と持ちかけてきた。
あまりにも不気味で、最初は死神と見分けがつかなかったが、最近は見分けがつくようになり「考えておきます」と、彼のセールストークをはぐらかすことができるようになった。
うつ病は完治させることはできないが、制御下に置くことはできる。
制御ができれば、それを力として利用できるようになる。
本書は、うつ病を制御下に置くことを目的とし、そのための手段を書いた。
そして、手段はたくさんあり、自分の選んだ手段が一番正しい。
うつ病の方は、気分がいいときに軽く目を通すだけで本書は薬として機能する。
気分がめいっているときには毒になるので読まない方がいい。
どんな薬も飲むタイミングと量を間違えると毒になるからだ。… 以上まえがきより抜粋