◆恋心を捨て、身を引くこと。それが、彼のために私ができること。◆7年前に婚約者を亡くし、罪悪感に苛まれ恋に踏み出せないカロリーナ。彼女は王家に嫁いだ親友につれられて美しい島国、ジェメリ王国を訪れ、カリスマ的な魅力を持つ皇太子ヴァレンティノと出会った。華麗な女性遍歴が取り沙汰される、世界一もてる独身王族。そんな評判の彼だが、実際は正義感にあふれた理知的な男性だった。初対面でこれほど心を揺さぶられたのは初めて……。でも許嫁のいる皇太子に惹かれるなんて、もってのほかだわ。そう自戒しつつも、彼に熱く誘惑されると、抗いきれる自信はなかった。だが、そんなカロリーナへの熱心な愛情表現とは裏腹に、皇太子には女王との間に守らなければならない約束があった――ひとたび婚礼の日取りが決まれば、許嫁以外は“身辺整理”をする、と。■2部作シリーズ〈青き海のプリンスたち〉の第2話である今作は、前作の主人公ヴィンチェンツォの義理の兄がヒーローを務めます。母である女王が決めた許嫁との結婚を先延ばしにしてきましたが、いよいよ婚礼が2カ月後と決まり……。