◆南の島で彼と二人きり。これは危険な火遊びかもしれない。■二週間後に結婚式を控えたある日、イザベルはフィアンセから突然、婚約破棄を告げられた。両親の悲しむ姿や、結婚式の後始末にもほとほといやけがさし、彼女は南国の楽園に逃れることに決めた。だが、たった一人でそんな場所に行くのは気が進まない。そう思ったとき、イザベルの頭にレイフの顔が浮かんだ。結婚式の写真を撮ってもらう約束をしていたカメラマンだ。アーティスト気取りの傲慢で腹立たしい男性だが、なぜか心引かれるところがある。こうなったら、思いきってレイフを誘ってみよう。灼熱の太陽の下でなにも考えずに彼の腕に抱かれたら、すべてを忘れられるかもしれない。たとえ永遠の愛は手に入らないとしても。