あらすじ剣名上がり、新流派を興した小次郎は、曲折の末に結ばれた恋人と平穏な日々を送っていた。そんなとき、剣による自己完成をめざすもう一人の天才が登場する。宮本武蔵だ。かくて、浜ぐるま咲く孤島・船島の浜で、小次郎は宿命のライバルとの対決の瞬間を待つ……。既成の権威に抗し、二十四年の人生を不羈奔放に駆け抜けた若者の運命を描き、戦後時代小説復活の輝かしい烽火(のろし)となった画期的名作。