あらすじお忍びの芝居見物にワナが仕掛けられてあったとは……。わが世の春に酔い、重職にありながら水面下に繰り広げられた派閥抗争に気付かなかったとは……。「永遠流ですら罪が軽い」とまで思い詰める絵島の痛切な心情を、荒涼とした遠流の地、高遠に描く。“犠牲はいつの世も弱い者に”、憤りが伝わる著者会心の作。