★ソルン、キングズリー、グリフィン、マイケル、そしてノーラ。すべてが終わったとき、彼らは〈第八圏〉に集う――ある儀式のために。そこに“彼”もいることを、ノーラはまだ知らない。
ソルンの身辺を嗅ぎまわる女性記者、スーザンは深い霧の中にいた。「あなたは聖職者でありながら、エロティカ作家ノーラ・サザリンの愛人なのか? そればかりか、まだ未成年だった彼女に罪深い手ほどきをした犯罪者ではないのか?」と、ソルンの司祭館を訪ね、直談判しようとさえしたのだ。だが追及をたたみかけるより先に、彼女はソルンの世にも怜悧で美しいルックスと、その圧倒的なまでの威圧感に言葉を失った。そして認めざるを得なかった。わたしはこの司祭に欲情している、と。当然ながら彼に拒まれ、スーザンはいっそう執拗になった。記者としてのプライドか女としての執着か、ソルンとノーラの過去にまつわる調査にのめり込んでいったのだった。そんな彼女の前に、NY地下世界の帝王キングズリー・エッジが現れる。この退廃的な魅力を放つフランス人は、スーザンを妖しく誘惑しながら、自らとソルン、そしてノーラの、悲しみと背徳に満ちた過去へと案内するのだった……。