あらすじ主家の存亡、すべては一人の刺客に託された。藩政を壟断する兵部の非道を伊達安芸は幕府に訴え出る。兵部と酒井忠清の伊達家分割の密約念書を入手したのは原田甲斐。思わぬ窮地に忠清は、自邸に誘き寄せた伊達家家臣団皆殺しを謀る。一度は武士を捨てた絵師虎之助は主家の命運を担い、再び剣を取った。権力への妄執と悽愴なる士道を描ききった歴史巨編。※本書は1999年11月に朝日文庫より刊行されたものです。(講談社文庫)