あらすじ性の目覚めは、すぐそこだ。惟朔(いさく)少年の、ヰタ・セクスアリス。入院していた父は家へ戻り、壮絶な最期を迎える。惟朔は、父親の常軌を逸した支配から、突然放たれたのだ。相変わらず学校には行かず、なっちゃんという看護婦さんや、片山さんという同級生に心を寄せて、秘密の時間を持つ。宙ぶらりんの心を抱えて迷走する少年が追いやられた場所は、あまりに惨かった。(講談社文庫)