◆伝えなきゃ――彼が結婚してしまう前に。新しい命が芽生えたことを。◆ルーシーは飛行機を乗り継ぎ、ようやくカロゼッリ邸にたどり着いた。ここでは今、愛しいトニーの婚約パーティが開かれている。妊娠に気づいて身分違いの恋を半ば諦め、黙って帰郷したルーシーを彼は追いかけてはこなかった。やがて届いた“友人”を名乗るメール。そこにはなんとトニーの婚約パーティの日程が記されていた。いたずら? それとも……まさか彼は本当に結婚してしまうの?ルーシーは傷つき混乱しつつも新しい命の存在を彼に伝えようと思った。だが、屋敷の奥へと歩みを進めた彼女は、目の前の光景に言葉を失う。盛装したトニー。そして隣に佇む、ウエディングドレス姿の女性。これはどう見ても結婚式だわ! ああ、何もかも手遅れだったのね。そのとき、ルーシーの大きなお腹に花嫁の鋭い視線が注がれて……?!■莫大な遺産を相続するため愛なき契約結婚を画策したトニー。でも結婚式に妊娠中の元恋人が闖入、花嫁に逃げられてしまって……?『本気のキスは契約違反』、『オフィスでキスはおあずけ』に続くM・セルマーの話題の3部作〈花嫁は一千万ドル〉最終話です。