作業療法士のカースティンは、薬指に輝く指輪を見つめた。贈り主は親友ギャビの結婚式で出会った彼女の弟、グラント。知り合ってから、たった1週間でプロポーズされたのだ。誰かさんとは大違いね……。幸せの絶頂にあるはずなのに、カースティンは1年前の夜を思い出してため息をついた。互いに強く惹かれ合いながら、結ばれることのなかったジョシュ。だって彼は、決して真剣なつき合いはしないと言ったのよ。彼女は本気でジョシュを忘れるつもりだった。それなのに……。よりによって彼と同じチームで働くことになってしまうとは!ジョシュが争奪劇を企てているとは露知らず、彼女は唇を噛んだ。■ドクターたちの恋を描く4部作〈ウエストサイドの恋事情〉2話目は、愛するより愛されたいのか、愛されるより愛したいのか、女として究極の選択に迫られるヒロイン、カースティンの物語です。