ゾハイド王国の政変で国外追放された王女レイラは、ある夜、暴漢に襲われた。車に押し込まれる寸前、長身のたくましい男性に助けられてあやうく難を逃れるが、相手を威圧するような尊大なオーラを放つ、その男性が何者かに気づいて、レイラは呆然とした――ラシッドがなぜここに? 幼いころ宮殿でともに育った彼に、レイラはずっと夢中だったから……。2年ぶりの再会に胸躍らせた彼女は、翌日、彼に求婚されて天にも昇る心地になった。しかし、ラシッドはレイラを愛してなどいなかった。彼の真の狙い――それはゾハイド王家から花嫁を娶り、隣国アズマハルの玉座に就くこと。無垢なレイラは、いともたやすく彼の術中にはまってしまったのだ!■初恋の人、ラシッドのためにずっと純潔を守ってきたヒロイン。彼の妻になれたのに、やがてそれが便宜結婚だったと気づいて、どん底に突き落とされ……。オリヴィア・ゲイツの3部作〈アズマハルの玉座〉最終話です。アズマハルの王冠は、いったい誰の手に?!