最悪の悲劇を目にしても、毒にやられても、重傷を負っても、
救うことをやめなかった医師の物語。
戦争や災害から感染症まで、国境を超えあらゆる緊急事態に
駆けつける無給のドクターたちがいることを知っていますか?
緊急医療の革新者が綴った「いのちの現場」の 最前線。
ボスニア内戦、クルド人難民キャンプ、四川、スマトラ島沖地震、
パンアメリカン航空爆破事件から新型コロナウィルスまで、
世界中の悲劇の最前線に立ってきた男は、何を目にしたのか――?
救急救命医療の第一人者が綴る、心震わすノンフィクション。
2020年1月、「Covid-19」の最初の2例が英国で確認された。
それから2ヵ月もしないうちに患者数が急増。急速な医療崩壊が懸念され、急遽、緊急の「野戦病院」が全国に設置された。
私たちは650床の病院を一から開設し、スタッフを配置し、わずか2週間で患者を迎え入れた。
しかしながら、それは私が開設した初めての野戦病院ではなかった――
[本文より抜粋]