捜査は記憶力が9割! 2千人を忘れぬ刑事。
仙道健太郎は指名手配犯の顔を記憶し、街中で見つけ出す、見取り捜査を専門としている警視庁に所属する敏腕刑事だ。
2千を超える顔に加え、癖まで覚えているため、同僚に比べて、圧倒的に高い検挙率を上げている。
今日は久しぶりに休暇を使い、京都まで一人旅にやって来た仙道だったが、松原通を清水寺から八坂神社へ向かう途中、一人の男に目が釘づけになった。
どうやら男は、15年前に東京都内で発生した殺人事件の犯人らしいのだ。
一瞬で観光気分が吹き飛んだ仙道。
だが、急に一人娘の春香から電話がかかってきてしまう。
なんと偶然、春香も京都に来ていて、連れの女子大生がストーカーの嫌がらせにあって、困っているという。
指名手配犯らしき男と、助けを求めてきた娘との板挟みになった仙道は……。
旅行に出れば事件にぶつかってしまう見取り捜査の敏腕刑事を、実力派の新人が描く、旅情警察小説!