幼い頃、幼なじみの遑(いとま)から意地悪され続けたせいで、26歳になった今でも男性に対する嫌悪が拭い去れない砂羽。そのせいで恋人ができたことはないが、アパレル販売員から企画部への昇進を遂げたばかりの砂羽にとっては仕事が恋人。しかし、そんな砂羽を心配した両親によるお見合い攻撃がエスカレートし、砂羽はとっさに「恋人がいる」と嘘をついてしまう。それでも「恋人を紹介しろ」と食い下がってくる両親を黙らせるため、恋人のふりをして助けてくれたのは砂羽を男嫌いにさせた張本人、遑だった。その日以来、両親に付き合っていると言った手前、それらしい振る舞いをしたほうがいいと砂羽をデートや食事に連れまわす遑。またどうせ、弱みを握って嫌がらせをしてくるつもりだろうと警戒する砂羽だったが、遑はまるで別人のように甘く優しく接してきて……。