阿佐田哲也名義の未単行本作品集『天和をつくれ』から8つの短編に、作品集『雀鬼五十番勝負』と『ああ勝負師』を収録。
単行本未収録作品を集めた文庫『天和を作れ』から、表題作は1959年「オール読切」に井上志摩夫名で収録された麻雀小説。
確認される限りでは最も古い麻雀小説として貴重な一作である。
「新春麻雀会」「ホームスィートホーマー」「008は彼氏の番号」の3編は晩年1987~89年の「週刊文春」正月号に掲載された異色の短編である。
他に「パイパンルール」「ちびっこバイニン譜」「競輪円舞曲」「地獄の一丁目」を収録。
『雀鬼五十番勝負』は、「週刊漫画アクション」誌上で1970年1~12月に連載された全50編からなる自伝的エピソードを集めた
エッセイ風の麻雀ショートショートで、阿佐田ワールドの妖しい魅力に満ちた作品集。
『ああ勝負師』は、麻雀から競輪、競艇、競馬、カジノまで、様々なギャンブラーたちの横顔を軽妙に綴った全36編の連続エッセイ集。
付録として3編の生原稿を収録。「ホームスィートホーマー」「008は彼氏の番号」に、「新春麻雀会」では完全版を収録。
解説は、作家の北上次郎氏、解題は、アンソロジスト・結城信孝氏が務める。