人付き合いが苦手なフレイアは、緊張しすぎるとつい高圧的な態度をとってしまう。おかげで「売れ残り令嬢」とまで言われるようになってしまい、今や社交界でフレイアに話しかけてくれるのは、ローレンス伯爵家の若き当主・ルカのみ。そんなフレイアをからかうような調子で口説いてくるルカ。いつのまにかフレイアの心は、ルカで占められてしまっている。フレイアはルカからのプロポーズを受け入れ、二人の新婚生活がはじまった。だが、結婚式の日を境に、ルカは急によそよそしくなってしまう。もう二ヶ月。触れられることも、会話も交わすことさえない。義妹のサファイアに気晴らしにと誘われた茶会では、夫人らから「結婚したら、気持ちは離れていくもの」と諭され、ますます落ち込んでしまう。それを見かねたサファイアは、評判の催眠術師のもとへフレイアを連れ出して……。