阿佐田哲也名義第一作「天和の職人」(1968年)から「人間競馬」(1973年)まで、 ロマネスクな魅力一杯の短篇ギャンブル小説32篇収録。
『麻雀放浪記 青春篇』に先行し、1968年秋に「週刊大衆」に、<実録雀豪列伝>として連載された
「天和の職人」(阿佐田哲也名義第一作)から「ベタ六の死」までの9篇と、
「別冊週刊大衆」創刊号(1969年6月)に収録された「山谷雀ゴロ伝」から
「南の三局一本場」までの7篇で発売された短篇集『牌の魔術師』。
また、『麻雀放浪記 風雲篇』の連載と併行して執筆された「天和くずれ」から
「海道筋のタッグチーム」までの11篇を集めた『天和無宿』(後に『雀鬼くずれ』と改題再刊)や、
『麻雀放浪記 番外篇』完結後の1973年1~6月に「週刊大衆」に連続掲載された
「スイギン松ちゃん」から「人間競馬」までの5篇を纏めた『ギャンブル党狼派』まで、
乗りに乗った阿佐田哲也ワールドが展開される。
さらにエッセイとして、『阿佐田哲也麻雀小説自選集』の後記「朝だ徹夜で、日が暮れて」
(「海道筋のタッグチーム」に言及)も収録。
解説は、作家の北上次郎氏。付録として『牌の魔術師』『雀豪列伝 天和無宿』初刊本の書影と、
「山谷雀ゴロ伝」を収録した「別冊週刊大衆」創刊号(1969年6月号)の書影等を収録。