一高在学時代の詩篇・俳句から、代表作『ある青春』、晩年の『夢百首 雜百首』まで、詩人・福永の創作物をすべて網羅。
“詩人・福永武彦”による詩篇、短歌、俳句、漢詩の創作物に加え、ロオトレアモン、ボオドレイル、マラルメ等の訳詩等を一同に会した一巻。
1章は、一高・帝大在学時に発表された詩篇を中心に構成。詩篇「幻滅」「湖上愁心」「火の島 ただひとりの少女」等を収録。
2章は、戦後、文芸誌等に掲載された詩篇(1945年~1966年)で構成。「晩い湖」「詩人の死」、長篇詩「死と轉生I~IV」等、「マチネ・ポエティク」(日本語によるソネットなどの定型押韻詩を試みるために始まった文学運動)の一員として活躍していた頃の作品を中心に収録。
3章は詩集『ある青春』『マチネ・ポエティク詩集』『福永武彦詩集』『櫟の木に寄せて』、句集『夢百首 雜百首』を収録。
4章と5章は訳詩にて構成。ロオトレアモン「マルドロオルの歌」、マラルメ「エロディアド」、ボオドレイル「忘却の河」等の詩篇に、訳詩集『象牙集』の初刊本と新版を収録。
附録として、普及本『ある青春』扉の自筆詩篇、初刊本『福永武彦詩集』扉の毛筆による自筆詩篇、普及本『夢百首・雜百首』扉に記された短歌と献呈署名、「夢百首」自筆草稿等を収録。