少しずつ見えなくなる恐怖と闘う勇気の物語。
子どもはだれだって暗やみがこわい。
でも、マファルダがこわいのは、目のなかにある暗やみだ。
真っ暗闇が訪れるまで、長くてもあと半年--。
ある日、9歳のマファルダは、少しずつ視力が失われる難病と診断される。
目が見えなくなるってどういうことだろう?
目隠しして歩いてみる。暗やみでも歩けるのかどうかを試してみたかったのだ。
暗やみでくらすようになったら、どうすれば色がわかるのだろう?
不安は、どんどんふくらんだ。
それから、マファルダは、やっておきたいことのリストを作り始めた。
少しずつ見えなくなっていく、失明の恐怖を、少女の一人称で語られる物語は、読む人の心を打つ。
作者自身の体験にもとづいた、生に対する痛いほどの愛情がこめられた、感動の物語。