阿佐田哲也のピカレスクロマンの最高傑作『麻雀放浪記』。映画化された「青春篇」以下、全4篇を完全収録!
色川武大の別ペンネーム「阿佐田哲也」の名を一躍有名にしたピカレスクロマン(悪漢小説)の傑作『麻雀放浪記』。
その嚆矢となった「青春篇」は、1969年1月から「週刊大衆」に連載開始された。終戦直後の上野のドヤ街で、ドサ健と出会い、博打にのめりこんでいく主人公・坊や哲が、出目徳、女衒の達、上州虎ら仕事師と渡り合い、生き残りをかけて激闘する様は評判を呼び、阿佐田哲也は[麻雀小説]の世界を確立させた。1984年には、イラストレーター和田誠の初監督作品として映画化もされ、大ヒットを記録したことでも知られる。
さらに関西での死闘を記した「風雲篇」や新しいタイプの麻雀打ちに苦戦する「激闘篇」、サラリーマンとなった坊や哲を描く「番外篇」の続篇3作品を加え、全4篇を収録し、麻雀放浪記ワールドを1巻で完全再現する、電子全集ならではの理想的な構成となった。解説は、ピカレスクロマンに造詣の深い、作家・北上次郎氏。解題は、アンソロジストとして阿佐田哲也作品に関わった結城信孝氏が担当。
付録として「麻雀放浪記 風雲篇」の生原稿、映画「麻雀放浪記」のシナリオ(一部)のほか、和田誠氏の色川武大回想記等を収録する。