マルク・シャガールの月の絵の前でたたずんでいた女性、杉山エミ。大学生の都築一平は、美術サークルの先輩でもある美しい彼女に強く惹かれる。
エミには幼馴染みで大学病院研修医の熊川鉄矢という婚約者がいた。美術館でエミと再会を果たした一平だったが、思いがけなく彼女が自分に好意を抱いていることを知る。
土田世紀原作の人気コミック「同じ月を見ている」をもとに書き下ろされた、同名映画へのプレリュードともなるべきラブ・ミステリー小説。
悲しい瞳で月を眺めながら、ヒロイン・エミが心の中に秘められている人物は誰なのか――。