「物理学で世界を理解する」意味が分かる!
著者は、太陽が専門の、宇宙物理学者です。
タイトルは、宇宙研究に携わりたい、と希望する方々へ向けた、
熱いメッセージです。
それは、例えば、「はじめに」から抜粋した次の一文。
「地球以外の天体に移住したり生命そのものを改変したりといった、
自分たちの生のあり方自体を技術的に変えてしまうことが
工学的研究によって現実味を帯びてくると、
そもそも私たちは、どのような社会を作り、どのように生きたいのか、
という問いを根底から考え直す必要が出てきます。
ここで、人間にとっての意味や価値といった問題も取り扱う
人文科学や社会科学が登場することになります。
宇宙の研究は、今や自然科学以外の領域にも広がっているのです。」
また、「研究者のセンス」についても語られ、初学者にとって、
深い学びになります。
「世界を理解するために問題をどのように切り取るか、
その問題に対してどのような説明がよりよいと考えるか、
そこに研究者のセンスのようなものが問われます。」
宇宙関係の本は、難しい、というのが相場ですが、
本書は、入門書として全分野の初学者におすすめです。