徳川家の姫君、古代エジプトの女王と特別な運命を背負ったヒロインを描く。付録は海外取材に同行した担当記者に逸話を訊く!
後水尾天皇に嫁いだ徳川二代将軍秀忠の娘・和子(まさこ)は、“稀なる福運の姫君”と称された。だが、武家と朝廷では言葉も習慣も異なり、宮中での暮らしは苦労も多かった。『東福門院和子の涙』は、誰にも胸の内を語らなかった、と伝えられる和子の生涯を侍女の視点から描く。
『クレオパトラ』は宮尾が描いた唯一の外国人女性の物語で、“絶世の美女”と謳われる古代エジプトの女王・クレオパトラがヒロインだ。宮尾は、国を統治する責務を果たす一方で、運命の男性と出会い、ひとりの女性として、子を慈しむ母親としても懸命に生きたクレオパトラの生涯を描き切り、新たなクレオパトラ像を創出した。
付録のインタビューでは、『クレオパトラ』の編集担当を務め、エジプトなど宮尾の海外取材にも同行した朝日新聞記者・都築和人さんが、宮尾との旅の思い出などを語る。宮尾の飾らない人柄、律儀な性格が伺えるエピソードなど興味深い話を披露する。
※この作品にはカラー写真が含まれます。