食まわりの仕事をする素敵な先輩方に、年を重ねたからこその“食”についてお聞きしました。
特別に、普段作っている料理のレシピも少しずつ教えていただいていますよ。
ご紹介するさまざまな暮らし方や考え方はきっと、みなさんの“これからの食卓”の道しるべになってくれるはずです。
●エッセイスト 平松洋子さん
●スタイリスト 高橋みどりさん
●料理家 枝元なほみさん
●エッセイスト 石黒智子さん
●「ファーマーズテーブル」石川博子さん
●「iori」園部曉美さん、中園五月さん
●料理家 脇雅世さん
・・・・・
子どもが独立して夫婦ふたりの生活に。
仕事や暮らしのスタイルを、年齢に合った形に変えようと思いつく…。
そんな人生の節目は、ふとした瞬間に訪れます。
時には迷いながら、時には前を見据えてテクテクと、そして時には全速力で…と、
ひたむきに歩んできた若い頃とは違い、これからはのんびり自分流に、
暮らしや考え方を切り替える方も多いようです。
特に個性が際立つのが、日々の食卓。体調や食の好みが変わってくる年代に差しかかることもあり、
心も体も健やかに過ごせる“今の自分にちょうどいい食事”がそれぞれ定まってくるのかもしれません。
そこで、この本では、食まわりの仕事をする方々に、年を重ねた今、
日々の食卓にどんな変化があったかをお聞きしてみました。
ある人は言いました。「とってもラクになりました! だって、子どもたちが巣立ち、
献立に気を使わなくてよくなったもの」。
また、ある人は言いました。
「調理法も味もすっきり、明快になりました」。
そうそう、こんな人もいました。
「かつて母が作ってくれたような、ごくごく普通の和食ばかりを作るようになったなあ」。
何年も、何十年も台所に立ち、ごはんを作り続けてきました。
素材の性格も、旬のつかまえ方も、“おいしい”の塩梅も以前より、
ずっと上手に、ずっと自然にわかるようになっています。
これまで、懸命に仕事をして、懸命に誰かのためにごはんを作って。
そんなみなさんが「これからは、まずは自分のため」と
のびのび自由に食卓を楽しんでいる姿には“ワクワク”がたくさん詰まっていました。
これからの暮らしや食卓が、そんな“ワクワク”であふれているのなら、
人生の転換期も“ウェルカム!”な気持ちで迎えられそうな気がしませんか?