田安徳川家当主が明かす将軍たちの健康秘話。
江戸時代の平均寿命は三十~四十歳代といわれるなか、徳川家康は天下をとる前から人一倍健康に留意し、数えで七十五歳という長寿をまっとうした。ほかにも常に鍛錬を怠らず六十八歳まで生きた「徳川幕府中興の祖」吉宗や、運動に万全の注意を払ったうえに強精剤を愛用して五十七人もの子をもうけ、六十九歳で没した「オットセイ将軍」家斉、十五人の歴代将軍の中で最も長生きした(享年七十七)「肉食将軍」慶喜。
サプリメントもスポーツジムもなかった江戸時代に、彼らは心身の健康を保つために、どんな養生法を実践していたのか。
これまであまり知られていなかった、徳川家に伝わる様々な養生訓や、歴代将軍の健康にまつわるエピソードを、田安徳川家第十一代当主の著者が明かす、思わず人にしゃべりたくなる蘊蓄満載の歴史エッセイ。