“戦犯”と呼ばれた男が全告白。
イランで現地採用され、社長に成り上がるや、米原子力事業を6400億円で買った男は、いつ、どこで、何を、どう、間違え、東芝を “奈落の底”に突き落としたのか。
大宅賞作家が第15代東芝社長、西田厚聰の肉声を交えながら描いた企業崩壊ドキュメント。
――東日本大震災、そして原発事故がなければ、東芝はどうなっていたんでしょうか。
「事故が起きなくても同じような問題が起きたんじゃないでしょうか。先延ばしされただけじゃないかな。すべては経営の問題だから」
2017年10月初旬、最後のインタビューは行われた。実は、西田は9時間を超える大手術、3ヶ月に及ぶ入院生活を経て、ようやく退院したところだった。存亡の危機に立たされていた古巣と同様、この男もまた死線をさまよっていた。
【ご注意】※この作品は一部カラーを含みます。