本書は、がんにかかってしまった人やその家族が知りたいこと、知るべきことをわかりやすく詳細に解説した本です。2005年に初版、2010年に改訂版を刊行し、このたび医療の進歩に合わせた新情報を加えて全面的に改訂し、最新版としました。
いま、医療は「インフォームド・コンセント」「エビデンス・ベースド・メディスン」をキーワードとする新しい時代を迎えています。前者は医師による説明と患者さんの同意、後者は科学的根拠にもとづく治療を意味しています。自分の病気はどんなものであり、そのたえの医療はどんなものがあるのか。患者さん自身が判断し、最善の治療法を選択する時代なのです。判断と選択のためには正しい知識が必要であり、本書がその一助となることを願っております。(はじめに、より)
〈第1章〉がん告知をどう受け止めるか
〈第2章〉病院選びと納得のいく治療の受け方
〈第3章〉臓器別・がんの最新治療
◆外科(手術)療法◆内視鏡的治療法◆レーザー療法◆化学療法◆免疫療法◆温熱療法
◆ホルモン(内分泌)療法◆骨髄移植◆動注療法・動脈塞栓術◆遺伝子療法◆漢方療法◆代替療法
肺がん/部位別がんの死亡者数でトップ
胃がん/日本人に最も多いが治癒率は高い
大腸がん/早期がんなら5年生存率は90%以上
肝臓がん/日本の診断/治療技術は世界のトップクラス
膵臓がん/切除できないケースが多いのが現状
胆道がん/早い発見で手術できることが治療のポイント
食道がん/近年、生存率が著しく向上
乳がん/集学的治療で切除範囲は縮小の方向に
子宮がん/検診による早期発見が増えて死亡者数は減少
卵巣がん/早期発見がむずかしく、死亡率が高い
膣がん/発生頻度は低いが進行が早く転移しやすい
外陰がん/女性性器がんのなかで三番目に多い
絨毛がん/子宮に発生するがんのなかで最も悪性
悪性リンパ腫/白血病/多発性骨髄腫/前立腺がん/腎臓がん/膀胱がん/副腎がん/
精巣(睾丸)がん/口腔がん/咽頭がん/喉頭がん/脳腫瘍/甲状腺がん/
骨肉腫/軟部肉腫/皮膚がん/上顎洞がん/耳のがん
〈第4章〉がんの痛みと症状のコントロール
〈第5章〉患者を支える家族の役割
〈第6章〉生活の質をよりよくする退院後の生活法
〈第7章〉がんの緩和ケアー在宅か施設か
〈情報ファイル〉がんの相談窓口/主な患者の会