がんは、いまや2人に一人がかかる国民病となっています。しかし、現在はがんを恐れる時代ではありません。
治療技術が進歩し、治療体制も以前より格段に整ってきたおかげで、がんが治る確率も飛躍的に向上しています。
がんと診断されても、ただ落ち込むのではなく、前向きにがんと向き合うことのできる時代なのです。
本書は、番組「きょうの健康」で放送された内容をもとに、新たに取材を加えて編集したものです。
がんの治療が具体的にどのように進められるか、緩和ケア、リハビリ、栄養サポートなどのチーム医療を中心に紹介いたします。
【内容】
チャートでみる「がん治療」の基本的な流れ
【第1章】がんと共に生きる「治療の心構え」
「心の整理」と「情報の整理」を徐々に行う(インタビュー|鳶巣賢一 がん・感染症センター都立駒込病院院長)
◎納得できるまで医師に説明を求める
◎信頼できる病院と主治医の選び方
◎治療開始までの準備と心得
COLUMN 1|がん相談支援センター活用してみる
【第2章】最適な治療を可能にする「チーム医療」
◎治療の中心となるキャンサーボードとは
◎知っておきたいがんの最新治療法
◎「インフォームド・コンセント」が治療の前提
COLUMN 2|医療費の自己負担額を抑えることが可能
【第3章】体と心の痛みをやわらげる「緩和ケア」
3種類の痛みを混同せずに、すべてをケアします(インタビュー|細川豊史 京都府立医科大学疼痛・緩和医療学講座教授)
◎がんにともなう痛みとは
◎診断と同時に緩和ケアをスタート
◎緩和ケアは、チームによって進められる
COLUMN 3|医療用麻薬を使っても中毒にはならない
【第4章】合併症や後遺症を防ぐ「リハビリ」
手術前からの早期のリハビリで生活の質を高める(インタビュー|辻哲也 慶応義塾大学医学部リハビリテーション医学教室准教授)
◎合併症予防と早期回復をめざす
◎手術前後に行う「予防リハ」と「回復リハ」
◎運動を習慣にして体力の低下を防ぐ
COLUMN 4|積極的に家事などをして自宅でリハビリ
【第5章】がん治療を支える「栄養サポート」
体力の維持と、免疫作用の向上が不可欠(インタビュー|東口高志 藤田保健衛生大学医学部外科・緩和医療学講座教授)
◎最適な栄養管理を行うために
◎「口から食べる」ことで免疫力を高める
◎治療中の栄養摂取のポイント
ほか