漂着したのは、理解不能の村だった。
「この村の秘密をしゃべってはいけない」
父親の定年を祝うハワイ旅行の帰りに飛行機事故に遭った坂木龍馬。
目が覚めると、家族とは離れ、ド田舎の村に漂着していた。電気・ガス・水道なし! 車すら走っていない。そこで暮らすのは、金太郎に、桃太郎。おまけに弥勒菩薩像の仮面をかぶった男まで現れる始末。田おこしや年貢、人身御供に仇討ち? なんて言葉まで聞こえてきた。どうやら日本語は通じるが、一体ここは、どこなんだ。ひょっとして、タイムスリップしてしまったのだろか。本当にどうする俺。
やがて、主人公を待ち受ける究極の問いとは?
「文明と未開」の間に揺れる青年を直木賞作家が描く。
著者新境地のノンストップ・エンタテインメント!!