昆虫マニアの仏文学者が綴る辛口博物学随想
大空のアホウドリを見てボードレールを口ずさみ、鼈甲の笄に熱帯の海の夕焼けを思う。フランス文学者であり、ファーブル昆虫記の翻訳家として名高い、奥本大三郎氏が自然界の神秘的な色や形を綴った随想集である。深い生物への造詣と冴えたエスプリで人と自然を語る、異色の博物誌。サライ連載の『天然色見本』とガリバー連載の『旅の博物学』に加筆してまとめた47編を収録。
目次
天然見本色見本
嫌がらせの色
危険印のユニフォーム
ピカ・ピカ/カツオの皮
黄金の人(オーレリアン)
透明も色のうち
ほか
旅の博物学
ゴライアスの涙
大空の美しきもの
青春の蘇跌
海の向こうのカワカマス
砂漠からの大旅行団
ほか