神谷平蔵が下目黒村の名医・竹井筍庵に弟子入りしてふた月。そろそろ浅草に帰ろうかと思い始めた矢先、平蔵が出遭ったのは刈谷惣助という笹岡藩の脱藩浪人だった。
惣助は不貞をはたらいた妻を密通相手ともども成敗し、藩を出奔してきたという。しかも、その相手は城代家老の縁者だったため、惣助には藩をあげての討手がかかっていた。
討手の目を避けるため虚無僧に化け、江戸に戻った平蔵の後を追った惣助。だが、再会した二人を待ち受けていたのは、刺客集団の嵐のような襲撃だった。
かろうじて撃退した平蔵と惣助を狙うさらなる剣客の群れ。闇の世界の元締め・播磨屋に差配された最大の難敵たちとの激闘の行方は?
怒濤の剣戟が連続する、シリーズ〈決定版〉17弾。