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日中戦争前後から、アジア各地や南洋地域へと侵略するなかで、日本は各地で人びとを動員する。植民地から日本本土へ、日本から植民地へ、生存するために多くの人びとが移動し、また、移動を強いられた。そしてアジア太平洋戦争の敗北とともに、彼らは故郷をめざす。しかし、その道のりは平坦ではなかった。中国大陸では国共内戦が激化し、日本の敗戦前夜からはじまった東西冷戦により朝鮮戦争が勃発、帰る場所を失う人びと。満州にいた日本兵たちはシベリアへ抑留され、一方で米軍統治下の沖縄へは戻れなくなる。彼らへの聞き取りや残された記録を追って、じっさい彼らがどのように戦争を体験したのかを探りながら、あの戦争の実態を描き出す。