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欧米列強の領地獲得競争を背景に、日本も蝦夷地へ進出し、外国と衝突しながらも交流するようになる。鎖国体制のもとでひたすら閉じこもっていたのではなく、北方地域ではすでに開国への流れは始まっていた。いっぽう内政においては、庶民からの献策を奨励し、民意の動向を重視する「世論の時代」ともいえる実態があった。また、開国前の関東には多くの庶民剣士がおり、彼らは幕末の過激事件にも参加していた。漂流民から新選組まで、幕末期を生きた人々を通して、鎖国から開国へ、そして「徳川の国」から近代国家へ向かおうとする社会の変貌を新たな視点から描く。