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宮廷文化が花開き、華やかな文化が栄え、平穏なイメージの強い平安時代ではあるが、いっぽうでは干ばつや大雨、火山の爆発や地震といった自然災害に見舞われ、争乱も相次ぎ、人々の暮らしは揺れ動いていた。この巻では、考古学による最新の発掘成果を取り入れて、さらに『古今和歌集』など、従来の歴史研究ではあまり用いられなかった当時の文学作品を丹念に読み解いていくことで、律令制度が変質し、大きな転換点を迎えた貴族社会の実像に迫っていく。また、こうした災害が引き起こす環境問題や戦禍による人間生活の破壊などを取り上げることで、単なる過ぎ去った過去ではなく、現代と対話が可能な、今に活かすことのできる歴史像を描く。