1992年から2001年にかけて発売された『土地の力』『始まりへ(小説ふう戯曲)』『亡命者』『君の中の見知らぬ女』を収録。
1992年から2001年にかけて発売された長編『土地の力』『始まりへ(小説ふう戯曲)』『亡命者』『君の中の見知らぬ女』を収録した一巻。
『怒りの子』(1985年9月刊)を最後に小説家をやめ観想生活に入ったたか子が、「霊的著作」と名付け、文学と明確に区別した霊的三部作の『土地の力』(1992年5月刊)と、『始まりへ(小説ふう戯曲)』(1993年4月刊)は、女子パウロ会より書き下ろしで刊行され、信仰書として「信仰を生きつつある人の証言」の書であり、神探求を実行する人の書でもある。
ちなみに霊的三部作のもう一作はエッセイ『「内なる城」について思うこと』。
『亡命者』は、「群像」1995年8月号に一挙掲載された作品で、『怒りの子』以来10年ぶりの小説作品。
たか子自身をモデルとする「私」の物語と、「私」が修道院で出会った30代のキリスト者の夫婦を主人公とした「小説『亡命者』」から構成されている。
『君の中の見知らぬ女』(2001年3月刊)は『亡命者』から6年後に刊行された書き下ろし作品である。
解説と解題は、生前のたか子と交流のあった文芸評論家・山内由紀人氏が担当。
付録として、未発表の戯曲「人生の終りの時」(未完)の生原稿等を収録する。
※この作品は一部カラー写真が含まれます。