戦記マニアの古本屋店主・斉藤磯八は交通事故に巻き込まれ、昭和14年にタイムスリップし、山本五十六のからだに乗り移ってしまった。
まさに山本五十六が連合艦隊司令長官に任ぜられる直前のことであった。磯八は、山本五十六として自ら「歴史のもし」を実践し、太平洋戦争を勝利に導こうと決心するのだった。
昭和16年12月、真珠湾奇襲に際し、米空母を撃滅することでその第一歩を踏み出した山本五十六こと磯八は、フィリピン戦線でマッカーサーを捕虜にし、ミッドウェーでは米太平洋艦隊を壊滅させた。
ハワイでの休戦交渉が決裂し、日米が再び戦闘状態に入ったその時、中国戦線でソ連の後押しを受けた毛沢東軍が大攻勢に出たという情報がもたらされた。
「山本五十六」は連合艦隊を率いて、新たなる戦いをはじめるのであった――。