星をたたえ、暗く冷たく夜は燃える。
かくして林檎は奪われた。
〈血の祭典〉が明け、中央連盟の面々を襲ったのは、第二の衝撃。
シュテルン家当主脅迫事件を受けて、ロロ・リングボルド率いる第一指揮が大規模掃討戦に向けて動き出す。
その裏で独自に行動を開始するのは、第七指揮の粛清官たちだった。
一堂に会するは、完璧を目指す者。贖罪する者。弾劾される者。
義を貫く者。過去に眠る者。復讐者と、殉教者。
そして夢に堕ちた星を掬い上げる、当代の夜。
「リオ。最後に、ひとつだけ教えて」
「あなたが報せをくれなかったのは、わたしのことなんて、とっくに忘れてしまったから?」
「そうだとしたら。わたしも、あなたのことは永遠に忘れるわ……」
月の浮かばぬ、その日の晩に。
たったいちどだけ許された後夜祭に、最後の炎が灯される。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。