やむなく人を殺めてしまった者を助け、罪咎をなきものにする闇の者たち――南町同心・雁木百合郎と江依太が聞いたのは、そんな『始末屋』の噂だった。
小塚原の林の地中から掘り出された若い女の白骨をきっかけに、事件は動きだす。下手人不明の雲をつかむような探索に乗り出す百合郎たち。
だがその矢先、鰹節問屋四国屋の隠居・宗壽が殺された。宗壽は六年前、同じ四国屋で起きた殺人事件のときの主人だった。
百合郎は、宗壽が『始末屋』の一人で、仲間割れによって殺されたのではないかと疑念を抱く。ところが、当の百合郎に宗壽殺しの嫌疑が……。
謹慎を命じられた百合郎は、窮余の策で『始末屋』たちに迫ろうとするが……。好評書下ろし第三弾!