杳として行方の知れぬ父を案じながらも、男の形をして江依太と名を変え、南町同心・雁木百合郎の手下として付き従う娘のお江依。
そんな矢先、百合郎の宿敵同心・由良昌之助から手札をもらう岡っ引きの権多郎が何者かに惨殺された。
由良の補佐役を命じられ、下手人の探索に乗り出した百合郎と江依太。
だが由良に先んじて調べを進めるうち、百合郎の身辺に不穏な気配が漂いはじめる。
ある夜、正体不明の浪人に襲われた百合郎。死闘の末、敵を討ち果たすものの新たな刺客が現れ、さらに江依太が拉致されてしまう。いったい誰が二人を狙うのか?
事件の闇の奥に潜む鬼畜の素顔を暴くべく、百合郎は奇策を講じるのだが……。好評書下ろし第二弾!