汗と涙と歯ぎしりのサラリーマン奮闘小説!
「俺は<異物>だ、負けてたまるか!」――学もない、金もない、失うものは何もない。試されるのは生きる力だ!
戦後の動乱期、横浜のドヤ街で当たり屋稼業をして暮らす「テン」こと小柴俊太は、幼馴染の麻生と偶然再会した縁で、料亭の下足番として雇われる。
ある日、麻生の上司でムーンヒルホテルの次期社長・月岡光隆に見出され、彼の運転手を務めることになる。やがて月岡の会社に就職した俊太は、学歴はないものの、独創的なアイデアと度胸で次々に実績を挙げ、異例の出世をしていく。
さらに麻生のアイデアで結婚式事業を成功させた俊太は、寛司と共に、月岡に招かれる。そこで持ちかけられた新たなビジネスとは……!?
企業小説の旗手・楡周平が会社に蔓延る「男の嫉妬」の恐ろしさを描ききる。
※この作品は単行本版として配信されていた作品の文庫本版です。