天保の改革は人々の心を疲弊させ、江戸ではうつつから逃れるため阿片が横行した。そして、その中毒者による異常な事件が多発していた。
南町奉行所同心の倉田彦三郎は奉行の鳥居耀蔵に、阿片を根絶するため、その探索に力を入れるべきだと進言する。
しかし、鳥居は改革を推し進めるほうが世のためになると、彦三郎の意見を退けた。
一方、父親の薬代を稼ぐため賭場の用心棒をしていた町道場の師範代・坂木結衣。結衣は、賭場の女壺振り・お杏に怪しげな場所に誘われる。なんと、そこは阿片を楽しむところだった。
結衣はその場で、四月前に死闘を演じた悪の黒幕らしい人物を目にして……。
好評痛快長編娯楽時代小説。書下ろし第二弾!