ついに、互いへの想いを確認しあった源之丞とお比美。とはいえ、ふたりは大名家の子息という、いわば雲上人。気軽に祝言をあげるなどもってのほかで、いくつも難題は残されていた。
一方、武者修行に出たお栄こと栄姫は、なんの因果か、凄腕の刺客である義京とともに旅を続けることに。八王子にいたったふたりは、ひょんなことから商家の誘拐事件にかかわっていく。
そしてすべての糸をつなげるのは、はぐれ柳生の里から逃げてきた女、お関。
風魔への復讐とおのれの生存のため、荒くれ者の加四郎を引きこんだお関は、行く先々で殺しもいとわぬ非道なおこないを繰り返し、地獄の悪鬼として恐れられていく。シリーズ第五弾!