夏の気配と、恋わずらいと。
椿屋ひなたが風邪を引いた。
担任として、お隣さんとして、彼女の看病はもはや義務のようなものだ。
だがしかし。体調不良であっても、椿屋ひなたは椿屋ひなたである。
「ねえお兄」
「どうした」
「服、着替えさせて」
……それはさすがにおかしくないか? いや、中学生相手に意識している俺がおかしいのか?
けれど、これはほんの序の口だった。
俺はまだ気付いていなかったのだ。
彼女も、それに他の生徒たちも。中学二年生には、風邪よりよほど罹りやすい病があることを――。
“育ち盛りすぎる中学生”とおくるエモ×尊みラブコメ、第2幕!
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。