2002年から太平洋戦争にタイムスリップして東条英機に乗り移ってしまった平成の総理・小泉健太郎を連れもどすため、一人息子の夏彦は時空戦艦『やまと』に乗って追ってきた。1943年夏、小泉夏彦は、理化研技師の寺崎保とともに満州北部のレーダー施設視察に向かっていた。途中、大連駅で偶然、映画スターの長谷川一夫に出くわし、彼の危機を救うことになる。長谷川一夫は『満映』で李香蘭と共演して大作『成吉思汗』を撮影することになっていた。新京駅で、川島芳子に会った夏彦は、一緒に『満映』に行くことになった。当時『満映』は、理事長の甘粕正彦の指導のもと、夢の映画撮影所として活況を呈していた。一方、アメリカは着々とオーストラリアからの日本侵攻の準備を進めながら、原子爆弾の開発を進めていた。この情報をつかんだ『やまと』の竜崎長官は、独自の作戦行動をとることを決断した。戦記シミュレーションの魔術師、草薙圭一郎が自由自在に夢と想像力を飛翔させて活写する超弩級スペクタクル、いよいよ佳境へ。