昭和十八年暮れの大和の特攻により壊滅的打撃を受けたアメリカ太平洋艦隊司令部は、本土西海岸に後退せざるをえなかった。一方、わが帝国海軍も戦力の大半を喪失していた。しかしながら、独立愚連艦隊は依然として健在である。今では陸海軍に次ぐ第三軍として艦首に菊の御紋章を戴く堂々とした軍隊であった。大本営もついにその実力を認め、連合艦隊主力を囮としてパナマ運河を攻撃させ、愚連艦隊に主作戦たるアメリカ西海岸強襲作戦を下令する。司令長官・大官寺大将は勇躍、全艦隊を率いて太平洋を東へと向かう。ところが一筋縄ではいかない彼のこと。知謀か奇謀か。またしても想像を絶する作戦を決行するのだった。今回の奇策の犠牲となるのは果たして誰か。