幻想世界で繰り広げられる「愛と性の狂宴」。
文芸誌「群像」に連載された、小島信夫の“執念の大作”第3巻。
アメリカ人の知人であるワシントンの妻・悦子との逢瀬を妄想していた作家の前田永造は、偶然に再会したワシントンと二人でボウリング場へと出かけ、あれこれボウリングの指南を受ける。だが「どうも夢くさいぞ」という永造のひと言を契機に、自宅にはワシントン夫妻を始めとして様々なゲストが往来し、さながら舞台劇のような“幻想の世界”へと突入していく。
めくるめくような狂宴が繰り広げられ、遂に永造は悦子と“夢の中での性交”へと臨むことになるのだが――。