アメリカの属国と化した日本をその軛から解き放て―太平洋戦争における日本の敗戦を覆すために、二十一世紀から時空移動した海上自衛隊の戦闘艦『やまと』。連合艦隊は未来兵器の助勢によって真珠湾の奇襲に成功し、珊瑚海、ミッドウェーの海戦にも勝利を得ることができた。『やまと』艦長南畝一佐は、さらなる進撃を具申するが、和平を望む連合艦隊司令長官山本五十六との間には次第に齟齬が生まれ始める。米国の徹底殲滅を悲願とする南畝が動いたのは、日米講和の式典の日だった。南畝はワシントンの会場から山本を拉致し、連合艦隊の再蹶起を促したのだ。だが、山本の真意を知る連合艦隊参謀たちは要求を拒否、長官を奪還すべく高須四郎麾下の第二戦隊を出撃させる。歴史改変阻止の使命を帯びた未来艦『むさし』とともに『やまと』を追う第二戦隊。だがその行く手には、密かに野望を燃やすもう一つの国家が…。